*大嶋雄一郎ほか:西日本皮膚科, 75 (4): 357-364, 2013
注射後、次のような副作用を生じることがあります。多くは一時的なものですが、程度が強い場合など、気になるときには医師に相談してください。
- 注射部位が赤くなった、はれた、痛む
- からだがだるい
- ワキ以外の部位で汗が増えた
ボツリヌス菌に感染する心配はないのですか?
使用するのはボツリヌス菌がつくるタンパク質から精製された薬であり、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではありませんので、感染の心配はありません。
ワキ汗のボツリヌス療法でつかわれる注射薬の日本での承認状況はどうなっていますか?
ワキ汗のボツリヌス療法に使用されるボツリヌストキシン製剤には、2012年に重度の原発性腋窩多汗症の治療に保険適応が認められた承認薬があります。
個人輸入された製剤による治療について注意点はありますか?
一般に医師による個人輸入は、「(1)治療上緊急性がある」「(2)国内に代替品が流通していない」「(3)自己の責任の下、自己の患者の診断または治療のために使用する」というすべての条件に当てはまる場合にのみ認められています。
「重度の原発性腋窩多汗症」の治療については、国内に承認薬があり、(2)の条件に当てはまらないため、個人輸入は原則として認められません。
また、万が一、個人輸入したボツリヌストキシン製剤による多汗症治療で健康被害が起こった場合には公的制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象となりませんのでご注意ください。
参考Webサイト:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html
(2024年8月1日閲覧)