ワキ汗が多く出る病気のことを「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」といいます。
腋窩(えきか)とは、ワキの下のことです。
ワキの下はもともと汗腺が多いうえに、緊張やストレスなどの精神的な刺激と、気候や運動による温熱刺激の両方で発汗が促進されるため、汗を多くかきやすい部位です。
- ワキに汗ジミができて人目が気になる
- ワキ汗で周囲の目が気になって、学業や仕事に集中できない
- 汗のにおいが周囲に不快感を与えているのではないかと心配するあまり、人間関係がうまくいかない
- ワキ汗が気になり、1日に何度も制汗剤を塗りなおす
- ワキ汗でシャツを着替えることが多く、手間が大変
- 緊張するとワキ汗が出はじめ、意識するともっと出る
- ワキ汗パッドやタオルが手放せない
- グレーなどワキ汗が目立つ色の服は好きでも着られない
- ワキ汗で服がはりついてしまうため、ゆったりとしたデザインの服しか選べない
- 白シャツや下着のワキの部分が黄ばんでしまって、すぐに買い替えなければならない
- 冬に着るセーターも、汗で目詰まりしてしまう
- 着物の袖が汗で汚れてしまうが、洗えない
- ワキガの手術をしてにおいはとれたのだが、汗の量の多さは変わらず、気になる
人間のからだは、暑さや運動によって体温の上がりすぎを防ぐため、汗をかいて熱を発散させています。また、精神的な緊張やストレスによって汗をかくこともあります。
体質で汗が多いという人はいますが、ワキ汗で人目が気になるなど、日常生活で困るほど汗が出る場合は『多汗症』という病気があります。多汗症の症状があらわれやすいのは、手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位です。
多汗症に悩む人は、思春期から中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多いといわれています。男女の比率はほぼ同等とされていますが、日本国内の調査では男性患者のほうがやや多いと報告されています*。
明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、何らかの病気や使用している薬が原因となる「続発性多汗症」に分けられます。続発性多汗症は、原因となる病気を先に治療する必要があります。
* Fujimoto T et al: Epidemiological study and considerations of primary focal hyperhidrosis in Japan: From questionnaire analysis. J Dermatol, 40(11): 886-890, 2013